株式会社プリモ

音響用語の解説
acoustic terminology

マイクロホン周りでよく使われる音響用語の解説ページです。

感度
入力音圧に対する出力電圧の比を感度といい、単位はdB(デシベル)で表されます。
一般的に1kHz,1Pa入力時の出力を示しており、[0dB=1V/Pa]と規定されています。
スピーカーやヘッドホンなど音を出力するものと違い、音を取り込む(入力する)マイクロホンの感度は負数(マイナス)表記です。
例えば、-42dBより-32dBのマイクロホンの方が10dB感度が高く、出力が大きくとれることを意味します。
S/N比
マイクロホンに音圧1kHz,1Paの正弦波を加えた時の出力レベルから、無音時の出力レベルを差し引いた値です。
SはSignal(信号)、NはNoise(雑音)の頭文字で、S/N比の値が大きいほど雑音の低いマイクロホンになります。
単位はdBで表されます。
周波数特性
感度が周波数毎にどう変化しているかを表している対数グラフです。
縦軸が感度(dB)、横軸が周波数(Hz)を示しており、1kHzからみた相対感度で表されます。
下図の場合は、200Hzは1kHzと同程度、5kHzは1kHzより4dB感度が高いことが分かります。

周波数特性グラフ(ボーカルマイクCX100)
指向性
指向性とは、音、電波、光などの出力エネルギーが方向によって異なる性質全般を指す用語です。 マイクロホンに指向性をつけることにより「ハウリングを防止する」「正面の音声のみを収音する」等の効果が期待できます。
マイクロホンの指向性はポーラパターンというグラフで可視化できます。

単一指向性ポーラパターン

円の中心にマイクロホンがあるときに、正面(0°)・背面(180°)・側面(90°および270°)それぞれの感度を表しています。 上図のグラフでは、側面の感度は正面の半分程度、背面の音はほとんど拾わないことが分かります。
感度表記と同様に、一般的に1kHzの感度差をグラフで表記します。周波数が低くなるほど指向性は鈍ってきます。
無指向性

指向性をもたせず、すべての方向の音を同じ感度で集音します。
他の呼び名:全指向性・Omnidirectional・nondirectional

双指向性

側面の感度を絞り、正面と背面の音のみを集音します。
他の呼び名:両指向性・Dualdirectional・Bidirectional・figure8

単一指向性

正面の音を集中して捉えます。
ボーカル用や会議用等、様々な用途のマイクロホンに採用されています。
他の呼び名:カーディオイド(カージオイド)・Cardioid・Unidirectional

鋭指向性

単一指向性よりも側面感度を絞った指向性です。単一指向性と双指向性の中間の特性となり、側面感度を絞るほど双指向性に近くなり、背面感度が上がります。
離れた音を集音する場合や、強いハウリング耐性をもたせる目的で使われます。
他の呼び名:狭指向性・超単一指向性・Hyper Cardioid・Ultra Cardioid

近接効果
単一指向性や双指向性等の指向性マイクロホンを音源に近づけると低域感度が増強される現象のことを近接効果といいます。 近接効果は周波数が低くなるほど強くなります。
下図は音源からの距離が0㎝と50cmの周波数特性比較です。0㎝の時に低域感度が増幅されていることが分かります。

距離による特性比較(ボーカルマイクCX100)
このように、ボーカル用等の単一指向性マイクは口元に近づけて使用すると近接効果により低域が増すため、あらかじめ低域を抑えて設計してあります。
また、近接効果の仕組みを応用したノイズキャンセル付きマイクとして、ヘッドセット等に双指向性マイクロホンが使われています。
出力インピーダンス
マイクロホンの出力端子から見た内部インピーダンスです。
単位はΩ(オーム)で表されます。

「音」に関することなら何でもご相談ください!

マイクやスピーカー、助聴器など、様々な「音」に関わる機器を企画開発生産しています。
法人のお客様、また個人のお客様はどなたでもご遠慮なくご連絡ください。
求人に関するご質問も受け付けております。

お問い合わせ